京都の町屋でイタリアン「美郷」

2008年9月20日

かっこつけの私nao久しぶりに京都下京にあるリストランテ 美郷へランチに行って来ました。ここは、町屋を活かしたお店づくりを得意とするマスターマインドという飲食店グループの傘下で、お店の入口に続く路地はまるで和食の料亭の様な趣きです。実はここのシェフ毛利さんは以前イタリアレストランであるレプロットを経営されていたのですが、そこで私に妻の茂子を引き合わせて下さった方でもあります。
入口に至る和風の路地 店内の様子。テーブルクロスの洋風の色合いと和風の町屋がうまくマッチしています
特別にあつらえたワインセラー店内はベースとなる「和」に、「洋」の装飾を取り入れた見事な雰囲気で、奥のカウンターからは手入れの行き届いた庭園を眺めることが出来ます。また客席すぐ近くには特別に作られたセラーがあり、ワインを選ぶ楽しみが増えます。ゆっくりと流れる時間を優雅に過ごすことができ、地元京都の人気はもちろんのこと、地方からの観光客にも人気があるのがうなずけます。
2色パプリカのマリネ シラクーザ風 色々な料理を乗せたアンティパストミスト
付き出しは2色パプリカのマリネ シラクーザ風。シンプルな料理でアンチョビとニンニクとオリーヴオイルでマリネしたシチリアの郷土料理です。アンティパストミストは左から時計回りに仔鴨のロース燻製、4種のチーズを練り上げた物、フリッタータ、カブラ、キノコのマリネです。先ほどのパプリカもですが、ここのマリネは全体的に少し甘口に仕立てられ、優しい味わいが口の中で広がります。
ハモのアラビアータ。例えマシーンを使っても作る料理人によって個性が変わります。むしろどうしたらこの様なパスタに仕上がるのか、機械の販売元である私が教えて欲しいくらいです・・・一品目のパスタはハモのアラビアータ。ソースはトマトの旨味が存分に引き出されています。トマトの旨味ってクセになりますよね。そこに旬のハモが加わります。少し大き目に切られ、ゴロゴロ感がありますが柔らかです。パスタのスパゲッティは当社のパスタマシーンを使った自家製で、食べているとモチモチからムッチリに口の中で変化していきます。同じ機械で作っても、お店の材料の配合や作り方によって随分個性が変わるのが面白いです。
素敵なワインリスト。もし自分がお店をする時このアイデアを拝借したいなぁ・・・ パラッツォーネのウンブリア ビアンコ '06
美郷のソムリエ岡田さん。ワインリストのアイデアだけでなく、親切で落ち着いたサービスはソムリエとしての技量も高く、彼はきっとこの業界で伸びる方だと思いますワインの品揃えは200種近くあり、メニューは全てソムリエの岡田さんの手書きです。私は初めて見るタイプのメニューで名刺入れに一つ一つボトルの模様や、ワイナリーのロゴが入っています。わかりやすいし親しみやすく、すごいアイデアだと思います。この日選んだ白ワインはパラッツォーネのウンブリア ビアンコ '06。ブドウ品種はプロカニコと呼ばれるトレッビアーノ。この日は暑かったので、さっぱり目をということでこれにしました。トレッビアーノ特有の爽やかな酸味。フルーツ感もブドウと言うよりは柑橘系に近いです。料理は選びません。
スパッツレ。パスタの種類もですが味わいも初めてのタイプです。まだまだ知らないパスタ料理があるのだと思いました二品目のパスタはスパッツレ。特殊な手打ちパスタで、セモリナを使わず強力粉と卵、そして何らかの野菜のピューレを入れます。今回はヤングコーンが使われていました。食感は柔らかいスクランブルエッグにチーズを入れて、少しだけぷりっとさせた歯応えです。味は淡白で、香り付けにレモンの皮を刻んで入れ、具にはハムのスペックとセージバターが使われています。私はこの料理を知らず、今回初めて食べました。お話を伺うと北イタリアのフリウリ、そしてドイツで食べられるそうです。京都でこうしたイタリアの限られた郷土料理が食べられるとは驚きです。
アイナメのソテーセコンドの魚はアイナメのソテー。枝熟れ完熟トマトを使ったフレッシュソースに鳴門金時ニンジンとさや入りヤングコーン(間接的に火を入れ甘味を増している)。身が真っ白で艶々と光っています。皮がパリパリ、身はしっとり。食べていると何だかフェンネルのような香りが・・・!? 尋ねてみるとドラゴンチェッロ。私にすれば風味がよく似ています。
牛のサガリのグリルセコンドの肉料理は牛のサガリ(横隔膜)のグリル。ポアロジェンヌ(若いポロネギ)とナスのグリル マルサラソース。モニュモニュとしっかりした肉の歯応え。まるで赤身肉のようです。後味にクセがしっかり。これをうまく表現することにより旨味へと変化します。次の赤ワインはこの料理に合わせて岡田さんに選んで頂きました。本当にこのワイン肉の味わいをきれいに包み込んでくれました。
ちょっといわくつきのトッレヴェッキアのシチリア ロッソ モンセラ '05トッレヴェッキアのシチリア ロッソ モンセラ '05。ワイナリーは実のところチェラスオーロ ディ ヴィットーリアD.O.C.として売る予定だったそうですが、突然のD.O.C.G.昇格に伴いワインの規格が厳しくなり同じワイン名を名乗れなくなったのです。そこでしかたなくテーブルワインのカテゴリーとして販売した、といういわくつきのワイン。ですがそんなことはお構いなしの素晴らしいワインでした。ブドウ品種はフラッパートとネーロ ダーヴォラ。バニラやキャラメル香。またイチゴやチェリー系の香りも感じます。最近シチリアではこのまろやかで少し甘く、適度なボリューム感あるワインが増えていると思います。後味にタンニンをしっかり感じ、これが肉の臭みや脂分と合うんだろうなぁ。
ドルチェの盛り合わせ。マンゴーシャーベットのレシピはシェフの毛利さんと、ちょうどその日食事に来ていた佐々木さんの間で「俺のだよ」、「いや、僕のですって」と言い合われていました。 ハーブアイスティー
お料理をされる毛利さん。カウンター越しからは、その仕事ぶりをうかがえますデザートのチョコレートのタルトは、スポンジケーキよりも柔らかくふわふわ。そしてズッパイングレーゼ。また以前チポラでも食べて大ファンになった、マンゴーのシャーベットが出てきました。話を聞くと元々ここのシェフ毛利さんのレシピだったそうです。毛利さんの料理はいつも新しいものを取り入れられ美味しく感心させられますが、それ以上にすごいのは自らこだわりの食材を探すことに余念がないことです。例えば毛利さんはよく宮城県気仙沼産の魚介を使われていますが、実際に現地を訪れて得た経験を熱い思いと共に語られていたのを覚えています。料理の基本はまず素材から。料理人として大切なことをよくご存じですね。
  • リストランテ 美郷
  • 京都市下京区堺町通松原下ル鍛冶屋町246-2
  • TEL:075-351-0098
  • lunch:11:30~14:00(LO)
  • dinner:17:30~22:00(LO)
  • 定休:木曜
リストランテ 美郷

佐々木さんはチポラを抜けられた後、堺町三条にあるタント タントでシェフを務められていますP.S.この日はしばらくご無沙汰だった、以前チポラでシェフをされていた佐々木さんが家族で食事に来られていました。毛利さんとは師弟関係にあり、本当に仲良くされています。まだ新婚さんで娘さんも生まれて間もありません。幸せそうな笑顔です。驚いたことに娘さんはこの日、このお店で初めて歩いたのです。いいなぁ。幸せ家族を見ていると、こちらも和やかな気持ちになります。(写真は幸せそうにほほ笑む佐々木さん一家)
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